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4.2.3 メッシュモデルの適用

 

マクロモデルによる検討結果より、降車所要時間は理論的には車内混雑度や、ホーム混雑度に依存すると考えられる。これに加え、駅到着時点での降車客の位置(降車客の初期位置)、車内混雑度の時間的・空間的変化なども降車所要時間に関係するため、駅到着時点での車内混雑度とホーム混雑度から一意的には決まらないことが判明した。そこで、降車客の初期位置や車内混雑度の変化の状況などを考慮した、降車所要時間の推定方法を検討する。

 

4.2.3.1 メッシュモデル

 

本節では、降車所要時間の算出に、車内及びホームを複数のメッシュに分割して取り扱うメッシュモデルを検討する。メッシュモデルでは、同一時刻における同一メッシュ内の混雑度は一様であると仮定するが、車内の混雑度が一様ではなく場所により異なることと、時間の変化とともに混雑度が変化することが表現できる。一方、各降車客については、列車停止時のドアまでの距離、および、どのメッシュに存在するかを初期値として与える。乗客の移動の様子とこれに伴う車内混雑度の変化の様子は、各時刻において各乗客が存在する位置付近の混雑度と、図4.2.3−1に示す、混雑度と移動速度の関係に基づき、微少時間における各降車客の移動距離を求めるとともに、微少時間後の各メッシュの混雑度を再計算することで算出でき、この計算を繰り返すことで、降車に要する時間を計算することができる。

 

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図4.2.3−1 D−V曲線

 

 

 

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